社会制度である介護保険制度。介護サービスにおけるすべてのことは介護保険法で定められた内容に基づいで行われています。そして、介護施設には、サービスを提供した対価として、定められた介護報酬が支払われているのです。
この介護報酬は、介護サービスを受ける利用者さんによる負担(1〜3割)と介護保険(7〜9割)から支払われており、その介護保険は税金が50%、給与から引かれる保険料が50%の割合となっています。つまり、介護報酬の多くは、国民から集めた税金から支払われているのです。わざとではなかったとしても、意識の低さや知識不足から不正請求をしてしまった場合、それは国民への詐欺行為と同等であるといえるでしょう。
もし介護保険法に違反してしまうと、介護保険法に基づく介護施設の指定を取り消されたり、書類送検される可能性もあります。介護報酬の返金などの処分が下されることもあります。また介護保険法以外に、労働基準法についても気をつける必要があります。違反した場合には、指定が更新されないという以外に、ブラック企業だと判断されて求人を出しても応募が来なくなってしまう危険性があります。
そのような事態を防ぐために必要とされているのが、法令遵守の研修です。介護職員が研修を受けることによって、どのような場面で違反が行われやすいのか、何に注意すれば良いのか、法令に関する正しい知識を身につけ意識を高めることが、安定した運営のためには重要です。すぐに研修の体制を整えられないような場合は、参考サイトを読むだけでも法律を守る大切さを伝えられると思います。